(出典:宝島社)
宝島社が発行する「田舎暮らしの本」2022年2月号に、「住みたい田舎」ベストランキングが掲載された。
そこで、飯南町が人口1万人未満のまちの部門で、「子育て世代が住みたいまち」で1位となった。
1位は本当にすごく、喜ばしい。
ただ、毎回このタイプのランキングの算出方法が気になってしまうのが俺。
そこで、今回はこのランキングとその算出方法について深堀する。
①住みたい田舎ベストランキングとは
住みたい田舎ベストランキングは日本で唯一、田舎を紹介する月刊誌「田舎暮らしの本」が毎年実施しているランキング。
今回で10回目となる。
市町村を対象にアンケートを実施。
その回答を数値化し、ランキングするものである。
そして、飯南町が人口1万人未満のまちの部門で、「子育て世代が住みたいまち」で1位となった。
②ランキング算出方法
では、実際に飯南町が1位となったランキングの算出方法について深堀する。
1、概要
市町村を対象に、移住、医療、子育て、自然、就労などの276の項目でアンケートを実施。
その回答を数値化し、ランキングとするもの。
2、参加したまち
参加したした市町村は751。
島根県では、松江市、浜田市、出雲市、江津市、雲南市、奥出雲町、飯南町、川本町、美郷町、吉賀町の10市町村。
鳥取県では、鳥取市、米子市、倉吉市、境港市、岩美町、若桜町、智頭町、湯梨浜町、琴浦町、北栄町、大山町、伯耆町の12市町村。
田舎と言われる全ての市町村が対象ではないっぽい。
その参加した751市町村を人口区分で分けてランキングをしている。
- 人口が1万人未満 194自治体
- 1万以上3万未満 225自治体
- 3万以上5万未満 123自治体
- 3万以上5万未満 173自治体
- 3万以上5万未満 36自治体
そして、飯南町は人口が「1万人未満」に分類される。
3、アンケート項目
276のアンケートは、「基本アンケート」「若者・単身者が住みたい」「子育て世代が住みたい」「シニア世代が住みたい」と4の部門に分かれる。
種類 | 項目数 |
基本アンケート | 112 |
若者・単身者が住みたい | 46 |
子育て世代が住みたい | 80 |
シニア世代が住みたい | 38 |
合計 | 276 |
全部のアンケート項目を記載はできないが、抜粋すると下記の通り。
基本アンケート
- 移住者向けにSNSで情報発信をしている
- コンビニがある
- 綺麗な海がある
若者・単身者が住みたい
- 新婚世帯への祝い金がある
- コアワーキングスペースがある
- サテライトオフィスがある
子育て世代が住みたい
- 子育て世帯向けの公営住宅がある
- オンライン授業を取り入れている
- 出産祝い金がある
シニア世代が住みたい
- シニアの健康づくりを推奨する取り組みがある
- シニアが安く使える温泉施設がある
- シルバー人材センターがある
4、算出方法
ランキングは「若者・単身者が住みたい」「子育て世代が住みたい」「シニア世代が住みたい」の3部門あり、それぞれ異なる算出計算式が用いられる。
各アンケートの点数を1点を上限として、下記の算出式で点数化され、ランキングされる。
若者・単身者が住みたい部門の算出式
若者・単身が住みたいまちアンケート45項目の点数
+若者世代・単身者の移住者数÷人口×1000
+特定の設問の各数値×0.1点
+基本アンケート111項目の点数×0.5
子育て世代が住みたい部門のランキングの算出式
子育て世代が住みたいまち
子育て世代が住みたいまちアンケート79項目の点数
+子育て世代の移住者数÷人口×1000
+特定の設問の各数値×0.1点
+基本アンケート111項目の点数×0.5
シニア世代が住みたい部門のランキングの算出式
シニア世代が住みたいまちアンケート37項目の点数
+シニア世代の移住者数÷人口×1000
+特定の設問の各数値×0.1点
+基本アンケート111項目の点数×0.5
と、こんな感じに点数化されて、それがランキングとされる。
③飯南町が1位になった理由の考察
前章でランキングの算出方法を解説した。
アンケートを点数化して、その点数が高い順にランキングがなされる。
つまり、上位ランクインをするには、高得点をいかに取るかが重要に。
その高得点を取るには、配点が大きいところでしっかり点を取る必要がある。
子育て世代が住みたいまちランキングであれば、
「子育て世代が住みたいまちアンケート79項目の点数」が大きい配点要素。
1位になった飯南町も例外なく、ここで大きく配点を稼いだはず。
「子育て世代が住みたいまちアンケート79項目」の抜粋の以下の通り。
- アンケート項目の内容
- 子育て世代のみを対象とした移住奨励金がある
- シングルペアレントの移住支援に力をいれている
- 子育て世代のみを対象とした低価格の公営住宅がある
- 子育て世帯を対象とした家賃補助制度がある
- 産院、産科、助産院のいずれかがある
- 不妊治療の一部を助成する独自の制度がある
- 出産祝い金がある
- オムツの購入日の補助がある
- チャイルドシートの補助金や貸出制度がある
- 保育所の待機児童数が0
- 2歳までの保育料が無償化している
- 子ども食堂がある
- 動物園や水族館など子育て世代が魅力に感じる娯楽施設がある
- 中学生までの医療費が無料
- 大学などへの進学の通学日の補助がある
- 大学進学者に対して有利子、無利子の市町村独自の奨学金制度がある
上記は一部だが「子育て世代が住みたいまちアンケート79項目」は、ほどんどが子育て世代向けの役所の制度がどれだけ充実しているかを重点においている質問がほとんど。
だから、ランキング上位をとるには、市町村の子育て世代への制度がどれだけ充実しているかが重要になる。
④飯南町の子育て制度
(出典:飯南町)
そして、飯南町の子育て向け制度を実際に紹介する。
1、保育料の完全無料化
保育料は2歳以下も全て無料。給食費も無料。
2、新生児出産祝い金
第一子、第二子の出産に10万円。第三子以降50万円を祝金として贈呈。
3、第三子以降子育て世帯応援金
第3子以降、満1歳〜満4歳の児童に年間10万円を給付。
4、子育て世帯日常生活用品給付事業
1月あたり5,000円以内の額に相当する日用品(おむつ、おしりふき等)を給付します。
5、保小中高一貫教育
教育や相互事業を通じた一貫教育を実施。
6、ベビーシート貸し出し
誕生1歳までは無料貸出
7、中学校卒業まで医療費全額免除
中学校卒業まで医療費全額免除
など、飯南町は子育て向け制度がある。
子育て向け制度で「お金の給付という」目に見える数字がすごく魅力的。
⑤まとめ
飯南町が「住みたい田舎」ベストランキング(人口1万人未満の市町村部門)子育て世代が住みたいまち部門で1位をとなった。
住みたい田舎ベストランキングは、日本で唯一の田舎を紹介する月刊誌「田舎暮らしの本」が毎年実施しているランキングのこと。
市町村を対象に、移住、医療、子育て、自然、就労などの276の項目でアンケートを実施し、その回答を数値化し、ランキングとするもの。
そこで、飯南町が人口1万人未満のまちの部門で、「子育て世代が住みたいまち」で1位。
ランキング方法を深堀すると、その自治体が実施する子育て向け制度が充実しているほどわかる。
その上で飯南町は、保育料の完全無料化、新生児出産祝い金、第三子以降子育て世帯応援金など、お金の給付という視覚化できる助成制度がたくさんあった。
それらの制度があったことが、大きい要因だと考察できる。
にしても飯南町は子育て制度がたくさんあり、素敵な町と感じる経験となった。今回の1位を心から賞賛したい。